4つのバガテル (1961)
作品名(英) | Four Bagatellen |
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作品名(独) | Vier Bagatellen |
作品記号 | 003 |
作品年 | 1961 |
ジャンル | 室内楽 |
演奏時間 | 7分 |
楽器 | vn, pf |
株式会社音楽之友社 | |
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連絡先 | 〒162-8716 東京都新宿区神楽坂6-30 |
電話 | (出版部)03-3235-2145 |
ホームページ | www.ongakunotomo.co.jp/ |
曲目解説
作品3とあるように、1961年にベルリン音楽大学作曲科に在学中、そこで12音音楽の創始者A・シェーンベルクの弟子で協力者として著名であったJ・ルーファーのもとで、徹底的に12音技法を学んでいた頃の作品である。したがってというべきか、4つの極く短い楽章は、シェーンベルク、ウエーベルン的な典型的な12音技法で書かれている。しかしこの自作の初演時の演奏を聴いて、西洋音楽の発展から導き出された12音技法、いいかえれば、西洋現代の厳格な技法で書かれているにもかかわらず、ここには何か、予期せずして<日本>を感じさせる響きがあるような気がして驚かされたものだ。後日、4楽章のヴァイオリンの高音域のフレーズに鋭い龍笛の響きを聴いた日本の評論家がいたが、デジャ・ヴュ(既視感)というのか、私が幼少の頃体験した雅楽の響きが無意識に内在していたのかも知れない。
初演:1961年7月/ベルリン・ハウス アム ワールドゼー/ヴァイオリン:浦川宜也、ピアノ:岡村梨影
1961年7月5日ベルリンでJ. ルーファー教授によって催された〈8人の若手作曲家〉の会で初演された。やはりベルリン留学中の浦川宣也君(Vn)と岡村梨影嬢(Pf)が理想的ともいえるすばらしい演奏をしてくれた。当時私は12指腸潰壊でベルリン市立病院に入院中でドクターから2時間だけの外出許可をもらってどうにかこの音楽会に出席できた忘れられない想い出がある。その後数回ヨーロッパ各地で演奏 放送されたがその際の新聞批評をはじめ 個人的な意見を含めてこの作品を通してのわれわれ日本の新しい音楽に対する彼らの考え方を生に感知する二とができたのは私にとって大きな収獲だったと思っている。