響層 (1969)
作品名(英) | Kyō-Sō |
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作品名(独) | Kyō-Sō |
作品記号 | 014 |
作品年 | 1969 |
ジャンル | オーケストラ/協奏 |
演奏時間 | 18分 |
楽器 | 7 perc, orch |
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曲目解説
佐野光司。源:「名曲解説全集7・管弦楽曲Ⅳ」より一部転載/音楽之友社刊
「響層」は響きと時間が重層構造をなして構成されている。響きの層は各楽器群の音色彩の重層、混合、離層などの多様な形態が垂直あるいは水平的に表され、また時間の層は、定量化された時間、やや自由な時間、そして全く自由な時間といった異なった時間が同時的あるいは順次的に表されている。たとえば、曲の冒頭では、シンバルやマラカスが4分の4拍子で2小節間を楽譜の指示どうりに奏するが、その間を、ドラ、クラヴェス、ゴングは24秒間内で奏すればよい。さらにハープとチェレスタは4小節間を48秒内で奏すればよいという、より大きな時間の自由が与えられている。こうして定量化された時間と、より自由な時間の関係は、曲があるカオスの状態やクライマックスへ突入した時、全く自由な時間へと変質する。また曲は音高の確定した部分において、しばしば十二音音列やその諸鏡像形、移置形が水平的にも垂直的な音響としても用いられているが、これは響きを組み立て、あるいは拡散させる上でのいわば技法上のエコノミーとして用いられているだけで、決してセリー音楽として機能している12音音列ではない。 さらに水平的な音楽の、「入り」の手法として最初の部分では、リズム・セリーすら用いられているが、いずれもかなり自由な仕方で現れている。全体は大きく三つの部分で構成されており、それぞれを「諸素材の呈示」「素材の発展的変容」「全体の総括的終結」ということも可能であろう。
初演:7.2.1969/東京文化会館[第1回民音現代音楽祭]/指揮:森正、東京都交響楽団
ヨーロッパ初演:1969秋/ベルリン芸術週間/ベルリン・フィルハーモニーホール/指揮:岩城宏之/NHK交響楽団(ヨーロッパ・ツアー)