モノプリズム (1976)

基本
作品名(英) Mono-Prism
作品名(独) Mono-Prism
作品記号 029
作品年 1976
ジャンル オーケストラ/協奏
演奏時間 23分
楽器 j-drums, orch
楽譜・譜面
リコーディ音楽出版社本社
住所 G. Ricordi & Co. Bühnen - und Musikverlag GmbH
Stralauer Allee 1
10245 Berlin
ドイツ (Germany)
電話 +49 (0)30-52007-08
ファクス +49 (0)30-52007-1333
メール umpg.classical@umusic.com
日本の代理店:株式会社ヤマハミュージックメディア(出版部)
電話 03-6894-0250(代表)
メール ymeg-ymm-pub-hire@gmx.yamaha.com
ymm-hire-SMB@music.yamaha.com
研究スコア販売(世界中):ミュージク・ショップ・ユーロプ
ホームページ Music Shop Europe

曲目解説

第Ⅰ部「序」(1975/Op.26)の冒頭の弱音は、全体のオーケストラ音響を象徴し、アジアに伝わる響き、リズムを誘導する。響きの層の起伏は、連続と非連続の内に、日本太鼓の登場を暗示する。第Ⅱ部「モノプリズム」の日本太鼓の最弱音は、東洋の太鼓伝統への挑戦を象徴している。可聴限界の囁きの展開から何が生じるのか。[東洋の太鼓伝統には弱音ー囁き、幽けき音たちは存在していなかった。太鼓は祭礼の中心で、強烈な響きと律動で天地をざわめかせ、霊を目覚めさせて来たのだ。] 太鼓を極限まで打ちつづける時、太鼓の響きー「人籟(じんらい)」は、自然界の響きー「地籟(ちらい)」へ変換する。最強音の連打に<時>は静止し、新しい響きが生じる。太鼓の<凝固する時>、<堆積する響き>、それをオーケストラ音塊が断ち切ろうとする…。

<人>の行為による西洋の響きが、風が樹木に触れる響きー、火焔が燃え立つ響きー

<大自然の鼓動>と一体となる。

「モノプリズム」の第Ⅰ部「序」(1875/Op.26)はオーケストラのみの演奏。

第Ⅱ部「モノプリズム」(1976/Op.29)は、七奏者が七つの締太鼓、一個の大太鼓、三つの中太鼓(秩父太鼓)を演奏する。

後者のタイトルは日本太鼓の単色ーモノクローム、オーケストラのプリズムの合成語である。 太鼓群は、確定的リズム(単純性)から不確定的リズム(複雑性)へ、あるいはその逆方向へ移行しながら、<螺旋状>に進行する。またオーケストラは、この太鼓群の動きに異質な音響的、時間的要素をプリズムのように放射していく。

[「モノプリズム」と「序」は、それぞれ単独で演奏することができる]

初演:1976年7月25日/「バークシャー音楽祭・タングルウッド」/指揮:小澤征爾/鬼太鼓座/ボストン交響楽団

日本初演:1976年12月25日/東京文化会館/指揮:小澤征爾/鬼太鼓座/新日本フィルハーモニ-交響楽団

ヨーロッパ初演:1981年9月11日/ベルリン芸術週間/ベルリン・フィルハーモニー・ホール/指揮:石井眞木/鼓童/ベルリン放送交響楽団

石井眞木