モノプリズム (1976)
作品名(英) | Mono-Prism |
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作品名(独) | Mono-Prism |
作品記号 | 029 |
作品年 | 1976 |
ジャンル | オーケストラ/協奏 |
演奏時間 | 23分 |
楽器 | j-drums, orch |
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曲目解説
第Ⅰ部「序」(1975/Op.26)の冒頭の弱音は、全体のオーケストラ音響を象徴し、アジアに伝わる響き、リズムを誘導する。響きの層の起伏は、連続と非連続の内に、日本太鼓の登場を暗示する。第Ⅱ部「モノプリズム」の日本太鼓の最弱音は、東洋の太鼓伝統への挑戦を象徴している。可聴限界の囁きの展開から何が生じるのか。[東洋の太鼓伝統には弱音ー囁き、幽けき音たちは存在していなかった。太鼓は祭礼の中心で、強烈な響きと律動で天地をざわめかせ、霊を目覚めさせて来たのだ。] 太鼓を極限まで打ちつづける時、太鼓の響きー「人籟(じんらい)」は、自然界の響きー「地籟(ちらい)」へ変換する。最強音の連打に<時>は静止し、新しい響きが生じる。太鼓の<凝固する時>、<堆積する響き>、それをオーケストラ音塊が断ち切ろうとする…。
<人>の行為による西洋の響きが、風が樹木に触れる響きー、火焔が燃え立つ響きー
<大自然の鼓動>と一体となる。
「モノプリズム」の第Ⅰ部「序」(1875/Op.26)はオーケストラのみの演奏。
第Ⅱ部「モノプリズム」(1976/Op.29)は、七奏者が七つの締太鼓、一個の大太鼓、三つの中太鼓(秩父太鼓)を演奏する。
後者のタイトルは日本太鼓の単色ーモノクローム、オーケストラのプリズムの合成語である。 太鼓群は、確定的リズム(単純性)から不確定的リズム(複雑性)へ、あるいはその逆方向へ移行しながら、<螺旋状>に進行する。またオーケストラは、この太鼓群の動きに異質な音響的、時間的要素をプリズムのように放射していく。
[「モノプリズム」と「序」は、それぞれ単独で演奏することができる]
初演:1976年7月25日/「バークシャー音楽祭・タングルウッド」/指揮:小澤征爾/鬼太鼓座/ボストン交響楽団
日本初演:1976年12月25日/東京文化会館/指揮:小澤征爾/鬼太鼓座/新日本フィルハーモニ-交響楽団
ヨーロッパ初演:1981年9月11日/ベルリン芸術週間/ベルリン・フィルハーモニー・ホール/指揮:石井眞木/鼓童/ベルリン放送交響楽団
石井眞木