残照の時 (1983)
作品名(英) | A Time of Afterglow |
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作品名(独) | A Time of Afterglow |
作品記号 | 052 |
作品年 | 1983 |
ジャンル | 室内楽 |
演奏時間 | 10分 |
楽器 | vn, koto |
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曲目解説
ヴァイオリンは、三百年以上も前に西洋で完成した楽器である。そしてヴァイオリン音楽は、19世紀までに、創造的にみても、あらゆる演奏技法が出尽くした技術的側面からみても、輝かしき頂点をつくったといえよう。この観点からいえば、20世紀後半のヴァイオリン音楽は<日没>にたとえられようか。しかし、日没後、わずかに照り映えて残る夕日の光にも、独特な美しさはあろう。
「残照の時」とは、夕日の残映を、響きで描写するところからつけられたタイトルではなく、ヴァイオリン音楽の、現代における創造的状況を表わしたものだ。そしてこの作品では、そこに、伝統的な「筝]の響きを、もう一つの<残映>として投射し、特異なイメージの音世界を創ろうとした。
なお、この作品には、ヴァイオリンとピアノによるヴァーションがある。
石井眞木, 1994。源:CD「石井眞木作品集Ⅲ━西の響き・東の響き━」(FONTEC/FOCD-3153)より