祗王 (1984)
作品名(英) | Gioh |
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作品名(独) | Gioh |
作品記号 | 060 |
作品年 | 1984 |
ジャンル | オーケストラ/協奏 |
演奏時間 | 23分 |
楽器 | Yokobue, Orch |
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曲目解説
石井眞木
この作品は、「平家物語」のなかの有名なエピソード「祗王」を題材に、三つの横笛(龍笛、篠笛、能管)を持ち替えて演奏するソリストとオーケストラのための協奏曲風な交響詩である。内容は、大きくわけて4つの部分からなり、連続して演奏される。その「物語風」な進行は次ぎのようになっている。
- 冒頭と後半は、物語の全体を暗示する音楽。中央は龍笛独奏によるカデンツァ風な祗王の音楽。
- 篠笛による白拍子(しらびょうし)の音楽[白拍子=平安末期から鎌倉時代に、はやり歌をうた い、舞をまった、当時の遊女]。ここでは、篠笛のほかに、雅楽に伝わる「今様」が、横笛奏者 によって歌われる。そして、若く美しい白拍子の祗王が、清盛の寵愛を一身にうけ、幸福の絶頂 にいたるまでが描かれる。篠笛と声による今様の旋律は、オーケストラと協奏しながら、高潮し、 3.に移行していく。
- 清盛の横暴で残酷な仕打ちに、祗王が打ちのめされる場面の音楽が全オーケストラで強奏され、 幸福の絶頂から絶望のどん底へ転落し、苦悩する祗王を能管が表す。
- そして、次第に、祗王は汚れた現世を去り、仏の世界を欣求(ごんぐ)する場面を龍笛が表す。
初演:25.12.1984/横笛独奏:赤尾三千子/指揮:小林研一郎/京都市交響楽団
アメリカ初演:14.2.1985/横笛独奏:赤尾三千子/指揮:尾高忠明/アメリカン・シンフォニー
ヨーロッパ初演:14.5.1997/ムジークフェライン(楽友協会大ホール)/横笛独奏:赤尾三千子/指揮:井上道義/京都市交響楽団