解脱 (1985)
作品名(英) | Gedatsu (a spirit delivered) |
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作品名(独) | Gedatsu (Die Erlösung der Seele) |
作品記号 | 063 |
作品年 | 1985 |
ジャンル | オーケストラ/協奏 |
演奏時間 | 17分 |
楽器 | Version I: j-flute, orch. Version II: recorder, orch |
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曲目解説
この作品は、「平家物語」のなかの有名なエピソード「祗王」に準拠した横笛とオーケストラのための協奏曲である。
白拍子(平安末期から鎌倉時代に、はやり歌をうたい、舞をまった、当時の遊女)の祗王が、権勢をふるった清盛に見初められ、その寵愛を一身にうけるが、その幸福の絶頂で突然清盛に冷酷にすてられる。祗王はうちのめされ、苦悩する、、、。 が、エピソード「祗王」の内容の大略であるが、この作品は、祗王が華やかな過去を回想し、 その頂点で転落し、 懊脳する。 そして、汚れた現世から仏の世界を欣求し解脱にむかうさまを、<響きの詩>としてとらえようとしたものである。しかし、絶対音楽的な意味では、横笛という日本の伝統楽器を駆使した新しい協奏曲風の構想になっている。
横笛奏者は、龍笛、篠笛、能管を適宜もち替えて演奏するが、華やかな当時を回想する中間部では、雅楽の世界に伝承されてきた「今様」(当時のはやり歌)の旋律が現れる。なお、「解脱」は、作品 60 の交響詩「祗王」ー陰影の譜ーの姉妹作品で、両者を連続して演奏することもできる。
石井眞木, 1994。源:CD「石井眞木作品集Ⅲ━西の響き・東の響き━」(FONTEC/FOCD-3153)より