縹渺の響きIII (1986-1998)
作品名(英) | Hyōbyō no Hibiki III |
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作品名(独) | Hyōbyō no Hibiki III |
作品記号 | 069c |
作品年 | 1986-1998 |
ジャンル | 室内楽 |
演奏時間 | |
楽器 | haisho, gogen, hokyo |
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曲目解説
古代では、音楽そのものの概念も現代とは随分ちがっていたようだ。古代の音楽が、祭礼行事などと密接だったという記述などから類推するが、ではそのとき、その音楽はどう響いていたのかを、私たちは知ることができない。<失われた響き>である。
しかし、そのような古代楽器の形状が残存していて、そこから古代楽器が復元され、そこから千年、二千年前の響きを想像することはできる。<かすかではっきりしないさま/縹渺の響き>であるが、少なくとも私の響きのイメージは拡がっていく。
12年前に排簫、五絃のために作曲されたこの作品は、今回さらに「方響」を加えた。方響の響きは、 作品を下記の響きで改めて7つの部分に構成し、排簫、五絃の響きとの調和を図ろうとした。
「序奏」 [12音の響き]
「冬」 [盤渉調]
「春」 [双調]
「中央」 [壱越調を含む前後の調子の主音]
「夏」 [黄鐘調]
「秋」 [平調]
「回帰」 [12音の響き]「縹渺の響き」は、時の空白を超えた私の古代への想像と創造が交錯した作品である。
石井眞木