縹渺の響きI (1986)
作品名(英) | Hyōbyō no Hibiki I |
---|---|
作品名(独) | Hyōbyō no Hibiki I |
作品記号 | 069a |
作品年 | 1986 |
ジャンル | 独奏楽 |
演奏時間 | 3分 |
楽器 | haisho |
この作品は出版されていません。 お問い合わせはつぎのアドレスへどうぞ: |
曲目解説
古代では、音楽そのものの概念も現代とは随分ちがっていたようだ。古代の音楽が、祭礼行事などと密接だったという記述などから類推するが、ではそのとき、実際にその音楽はどう響いていたのか、を、私たちは知ることができない。失われた響きである。しかし、その古代の楽器の、残存した形状からの復元は可能なものがあり、そこから、古代の響きを偲ぶことはできる。排簫(はいしょう)もその一つで、昭和五十年に復元された気鳴楽器である。
「縹渺(ひょうびょう)の響き」は、復元楽器による、私の古代へのイメージと創造が交錯した作品である。ここでは、排簫の、時の空白を越えたひろくかぎりない響きの世界に、古代の音楽をかすかに感じつつ作曲した。
このCD録音を機に、復元楽器「排簫」を私に識らしてくださった木戸敏郎氏と、素晴らしい演奏の芝祐靖氏に、この作品を心から献呈します。
初演:昭和六一年三月七日、国立劇場小劇場、演奏/芝祐靖[国立劇場委嘱作]
石井眞木, 1992。源:CDより