飛天生動 III (1987)
作品名(英) | Hiten-Seidō III |
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作品名(独) | Hiten-Seidō III |
作品記号 | 075 |
作品年 | 1987 |
ジャンル | 独奏楽 |
演奏時間 | 12分 |
楽器 | mba |
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曲目解説
題名は、中国の敦煌石窟の壁画に飛翔する「飛天」と、南斎の謝赫(しゃかく)が、その画論「古画品録」で述べている絵画の「六法」のうち、もっとも重んじられた「気韻生動(きいん せいどう)」の合成語からなっている。この敦煌の<飛天>は、まさに、「天衣飛揚 満壁風動」と形容されるごとく、「気韻生動」のすばらしい具体的表現であろう。
敦煌莫高窟の飛天は、とくに唐の時代になり輪郭描法が導入されてからは、中空に浮かび華やかに飛翔するが、それ以前の時代の飛天は、隈取りも厚く、唐以後の飛天とは異り飛翔感はやや乏しい。しかし、そこには、重厚な色彩感と、原始性があり、ここにもたしかな<存在>が感じられ、また別な感動をうける。すなわち、1983年に飛天生動シリーズの「Ⅰ番」として雅楽合奏のために、そして「Ⅱ番」のMarimba Duoのために書いた二つの作品は、唐代の華麗な飛天に感動して創ったものだが、この「Ⅲ番」は、それ以前の原始的でヴァイタルな飛天に触発をうけて作曲した作品なのである。
初演:10.10.1987/「藤井むつ子リサイタル」/石橋メモリアルホール/Mar.独奏:藤井むつ子
ヨーロッパ初演:21.11.1987/「石井眞木個展」/Insel-Musik祭ベルリン/SFB-Saal/Marimba独奏:藤井むつ子
中国初演:11.10.1997/「日中友好合作現代音楽祭・北京」/Marimba独奏:吉原すみれ
石井眞木
敦煌莫高窟の飛天は、まさに、「天衣飛揚 満壁風動」と形容されるごとく、気韻生動のすばらしい具現化であろう。この作品の題名は、その「飛天」と、「気韻生動」の合成語である。
この作品の「飛天」は、唐の時代に輪郭描法が導入される以前の飛天―重厚な色彩感、原始性、確かな存在感―から触発を受けたもので、5オクターブのマリンバで、 そのイメージを音化しようとした。
石井眞木