虚階 (1991)
作品名(英) | Kokai |
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作品名(独) | Kokai |
作品記号 | 091 |
作品年 | 1991 |
ジャンル | 独奏楽 |
演奏時間 | 7分 |
楽器 | cem |
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曲目解説
虚階(こかい)とは、<非音響化された音> を意味し、聲明に付随する打楽器類の演奏法用語である。例えば、聲明の法要で僧侶が鐘を撞く場合、鐘を撞く態勢をとりながら、心の中でのみ鐘を撞く奏法がある。そして僧侶たちは、その鐘の<音響>を心の中で聴き、間をとりながら、儀式を進めていくのである。これを虚階というが、実際には音が出ない非常に精神的、観念的な<音響>である。この虚階に類似したものは、僧侶の演唱にも、また、雅楽にも見られ、古来の日本音楽の、一つの特殊な演奏法となっている。
「クラヴサンのための虚階」では、西洋音楽と全く異なる概念をもつこの演奏法を、拡大解釈し、最も西洋的な楽器の一つであるクラヴサンの作品に導入した。ここに、ある種の現代的な、<出会いの音>を内包した作品を意図したのである。
石井眞木, 1992