打楽器協奏曲 ー南・火・夏ー (1992)
作品名(英) | Percussion Concerto -- South - Fire - Summer -- |
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作品名(独) | Süden - Feuer - Sommer, Schlagzeugkonzert |
作品記号 | 095 |
作品年 | 1992 |
ジャンル | オーケストラ/協奏 |
演奏時間 | 15分 |
楽器 | Perc, Orch |
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曲目解説
「打楽器」といっても、その奏法によりさまざまな響きの側面をもつ。
この協奏曲は、打楽器の<音色の世界>、<響きの堆積>、さらに、<マリンバの躍動>、<太鼓のリズム的変容>というパーカッション/マリンバがもつ多様性を、超絶技巧を駆使して追及し、それにオーケストラを対峠させ、新しい音世界を表出しようとする作品である。
日本の伝統音楽では、<方位>と音楽の秩序とが密接な関係を保っていた。このことは鎌倉時代(1185-1333)の楽書「管絃音義(かんげんおんぎ)」に詳しいが、この作品のサブタイトル、ー南・火・夏-、そしてこの曲の音階として使っている日本古来の「黄鐘調(おおしきちょう)」は、この「管絃音義」にある<南の方位>の換喩(かんゆ/metonymy)である。また、この作品の重要なモティーフ、ーEs, D, E, F, H,ー 音は、サブタイトルの独、英語、Süd, Feuer, Sommer / south, fire, summer からとられた音名である。
この打楽器協奏曲では、西欧的なモティーフによる手法と、東洋的な方位のコンセプトを混在させたが、これによって作品の内部に<響きの陰影>を与えようとした。いわばここでは、東西両音要素、構成手法から、一つの新たな音楽的秩序、調和を求めていくのである。
石井眞木, 1992