歴年1200 (1994)
作品名(英) | Chronology 1200 |
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作品名(独) | Chronologie 1200 |
作品記号 | 101 |
作品年 | 1994 |
ジャンル | 室内楽 |
演奏時間 | 12分 |
楽器 | reigaku |
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曲目解説
「1200年」以前に大陸から日本に渡来していたさまざまな楽器は、千二百年前後に<淘汰>され、ある楽器は雅楽の楽器となり日本化し、ある楽器はお蔵入りし、永い年月、正倉院などの薄暗い空間に置き忘れられてきた。
昭和50年、国立劇場、 木戸敏郎氏を中心にはじまった正倉院などの古代楽器の復元とこの楽器によるあらたな創造運動は、私たちに、このような楽器がなぜ淘汰されたのか、という謎解き的な興味をおこさせるとともに、蘇った古代楽器の響きにさまざまな思いを馳(は)せることになった。ここには確かに、西洋音楽でも雅楽でもない、もう一つの音楽の存在を感じさせる何かがある。
伶楽ー排簫(はいしょう)、箜篌(くご)、方響(ほうきょう)のための「歴年1200」は、平安建都千二百年を記念し、雅楽とは異なるもう一つの古代音楽のイメージを想起することと、もしこれらの古代楽器が淘汰されずに1200年を経ていたらどんな音楽になっていたのだろうかという、創造的な想像の音の世界が広がる中で作曲された作品なのである。
初演:4.6.1994/祝祭京都誕生1200年/京都会館ホール/排簫:笹本武志、箜篌:篠崎史子、方響:山口恭範
石井眞木