ファゴット ラプソディー (1996)

基本
作品名(英) Bassoon rhapsody
作品名(独) Fagott-Rhapsodie
作品記号 107
作品年 1996
ジャンル 室内楽
演奏時間  
楽器 bn-qu
楽譜・譜面

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曲目解説

この作品では、「鹿の遠音」の断片と、西洋音楽(交響曲、オペラ等)から最も〈ファゴットらしい〉音形の断片の数々が引用されています。

これは、尺八本曲の要素という日本古来の響きと、西洋音楽の響きを同じ時空で交錯させることで、ファゴットのもう一つの音の世界を表そう、という意図によているのです。但し〈ラプソディー風〉に…。

曲の初めは、「鹿の遠音」を模したものが重層的に現れます。そして、それとは異質な音の要素によるパッセージが現れ、時に諧謔的に、時に激しく、ファゴット演奏の通常とは異なる〈新しい音の世界〉を繰り広げます。

この曲では、スコアを忠実に演奏することが原則ですが、そこには、<ある管理下の即興性(Eine gesteuerte Improvisation)>が含まれていて、4人のファゴット奏者たちには、正統的な演奏技術と同時に、それを超えた奔放な即興性が期待される作品なのです。

石井眞木, 1996