人間如夢(じんかん ゆめのごとし) (1998)
作品名(英) | Jinkan Yumenogotoshi I (Life is like a dream) |
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作品名(独) | Jinkan Yumenogotoshi I (Life is like a dream) |
作品記号 | 110 |
作品年 | 1998 |
ジャンル | 室内楽 |
演奏時間 | 20分 |
楽器 | vo, ryuteki, koto, mba, cb, perc |
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曲目解説
『三国志』にまつわる羅貫中、曹操、曹植、蘇軾の詩を題材とした作品「人間如夢」は、「日中国交正常化25周年記念」の委嘱作として北京で初演された。
この作品は中国語で朗誦されるが、<中国語で作曲>することは大変勇気のいることであった。幸いなことに、朗誦の濮存日斤氏が予めこれらの詩を朗誦し、歌い、それをテ-プに収録して下さり、その素晴らしい韻と歌唱から、計り知れぬほどの触発を受けた。中国の昔の詩は本来<歌うこと>と不可分な関係があり、この本質をつくような濮存日斤氏の朗誦表現の深さに感銘をうけながら作曲した。北京の音楽評論家によれば、濮氏の朗誦には、現代では廃絶した<うたう詩>の回帰があるとのことである。
曲はプロローグ、エピローグと6つの楽章からなり、日本の伝統音楽のコンセプトが、現代の先端的作曲技法と、さらに中国語のうたう詩による朗誦とが微妙に接触する新しい<響きの世界>を求めている。また、第Ⅳ部で龍笛で奏される雅楽の『越天楽』のメロディーは、後に民間に伝わり武将の酒の歌『黒田節』となった。これは曹操のすばらしき<酩酊の詩>に一脈通ずるものがある、と引用した。
初演:11.10.1997/「日中友好合作現代音楽祭ー古楽同源ー」/北京コンサートホール(音楽廳)/指揮:石井眞木/朗誦:濮存日斤(Pu Cunxun)/龍笛:赤尾三千子、二十絃箏:吉村七重、マリンバ:吉原すみれ、コントラバス:毛利恭三、中国打楽器:孟暁亮、打楽器①:趙箚瓶、②:張景麗、③:張暁霊
日本初演3.2.1999/「日中共創コンサート」'99 in 東京/浜離宮朝日ホール/指揮:石井眞木/朗誦:濮存日斤(Pu Cunxun)/龍笛:赤尾三千子、二十絃箏:吉村七重、マリンバ:吉原すみれ、コントラバス:毛利恭三、中国打楽器:孟暁亮、打楽器①:加藤恭子、②:小林巨明、③:小川真由子
石井眞木