絲竹合一 (2000)
作品名(英) | Shichiku Gōitsu |
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作品名(独) | Shichiku Gōitsu |
作品記号 | 118 |
作品年 | 2000 |
ジャンル | 室内楽 |
演奏時間 | 15分 |
楽器 | koto, shaku |
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曲目解説
尺八、楽箏は古くに大陸から日本へ伝えられ伝承されてきた楽器であるが、「普化宗」の尺八と、賢順→玄如→八橋検校と展開した俗箏の音楽をみれば明らかなように、同じ「伝統楽器」とは言え、その伝承は永い間互いに平行線を辿ってきた。両者が合奏―「三曲合奏」するようになったのは、ようやく江戸時代になってからのことであった。
この歴史的な流れのためか、私には、尺八は中世的、俗箏は近世的な資質をもった音媒体と感じられ、これが「絲竹合一」の創作の根幹をなしている。すなわち、両者の異なる資質、精神を踏まえながら、現代的な作曲手法で両者の合一を図るという創造姿勢である。
箏の独奏で始まる「絲竹合一」は、やがて尺八が箏に接近してゆく。両者は互いに異なる音楽時間をさ迷よった後、次第に合一へ向かうが、これを成就するためには演奏における厳しい精神集中が不可欠となる。絲と竹の高い次元でのせめぎ合いあらばこそ、この作品が命あるものとなり、合一が叶う。
初演:2000年12月2日/「出会い・25」/紀尾井ホール/十三絃箏:石垣清美、尺八:石垣征山
石井眞木