第十八回オリンピック冬季競技大会 長野1998

1998年2月に, オリンピック冬季競技大会は長野に開催された。

石井眞木は、開閉儀式の音楽の一部分を作曲又は編曲し、音楽監修(スーパーヴァイザー)を担当された。

開会式 (1998年2月7日)

天皇陛下御臨席

タイトル 天皇陛下御臨席の音楽
作曲家 芝祐靖
編曲 石井眞木
指揮者 曽我大介
演奏者 東京フィルハーモニー交響楽団
演奏時間 30秒

子供たち

タイトル 雪ん子の音楽
作曲家 石井眞木
指揮者 田中良和
演奏者 赤尾三千子(横笛)、祝典管弦楽団
演奏時間 3分

石井眞木よりの解説

曲の前半(約3分)、道祖神、雪ん子が登場する場面で石井が音楽を担当し、後半、インターショナルな子供述の音楽をアンドリュー・ロイド・ウエーバーが担当する。

選手入場

作曲家 石井眞木、田中贒、藤田正典、松下功
指揮者 田中良和
演奏者 芝祐靖 (横笛)、笹本武志 (横笛)、東京フィルハーモニー交響楽団、与一太鼓和太鼓団体
演奏時間 41分
全曲の担当者 石井眞木

プレリュード (全体統一テーマによる): 石井眞木

第Ⅰ章『北海道、沖縄民謡によるパラフレーズ』: 石井眞木

第Ⅱ章『煌 (きらめ) きの瞬間 (とき)』(sparkle): 田中贒

第Ⅲ章『山並みにこだまする歓喜の声』: 藤田正典

第Ⅳ章『信州民謡パラフレーズ』: 松下功

エピローグ (全体統一テーマによる): 石井眞木

石井眞木よりの解説

4人の作曲家による連作。丁度「聖火リレー」のように、日本の南北(北海道、沖縄)から始まる日本民謡のパラフレーズは、東北、九州、中部日本の民謡を経て、信濃民謡へ向かい、地元で熱烈な支持をもつ「信濃の国」の曲に到達する。各章では、プレリュードで提示される〈テーマ〉が全体を統ーしている。?因に、「信濃の国」は今年は作曲から百周年をむかえる。

国歌演奏

編曲 石井眞木
指揮者 田中良和
演奏者 芝祐靖(竜笛)、宮田まゆみ(笙)、伶楽舎
演奏時間 1分

石井眞木寄りの解説

今私たちが国歌として認識する『君が代』は、明治11年の冬に、雅楽の楽人(奥好義、林廣守)によってオリジナルなメロディーが創られたと言われている。そして当時のドイツ人音楽教師F・エッケルトによって西洋音楽風な和声がつけられ、軍楽隊で演奏され、その後はこれが管弦楽にも編曲されたものだ。

しかし、昭和9年2月11日の紀元節の祝宴以来、『君が代』の雅楽的な演奏がしばしば行われるようになった。これは、メロディーはオリジナル通りであるが、編成は雅楽合奏、和声は雅楽的なもので成っている。いわば、この時が『君が代』は〈お里帰り〉をしたのである。

因に、昭和27年11月10日には、宮中に於いて、現天皇の「皇太子殿下成人、並に立太子式典」には雅楽による『君が代』が演奏された。今回の長野冬季オリンピックの「開会式」では、この故事を尊重しつつ、今回の世界的な祝典に相応しく、オリジナルの雅楽合奏を中心にしつつ、さらに西洋的なハープ、弦楽合奏を加えた編成で、〈伝統と現代〉による『君が代』を編曲し、演奏する。


閉会式 (1998年2月22日)

閉会式の下記の全作品及び『オリンピック賛歌』、及び『オリンピック旗降納の音楽』、『故郷』(編曲:山本純ノ介)は石井眞木が音楽監修(スーパーヴァイザー)を担当する。

序幕

タイトル 「篝火の音楽」
「花笠童女の音楽」
作曲家 石井眞木
指揮者 山本純ノ介
演奏者 祝典管弦楽団
演奏時間 4分30秒

選手入場行進

作曲家 石井眞木、田中贒、藤田正典、松下功
指揮者 田中良和
演奏者 芝祐靖 (横笛)、笹本武志 (横笛)、東京フィルハーモニー交響楽団、与一太鼓和太鼓団体
演奏時間 20分
全曲の担当者 石井眞木

プレリュード (全体統一テーマによる): 石井眞木

第Ⅰ章『北海道、沖縄民謡によるパラフレーズ』: 石井眞木

第Ⅱ章『煌 (きらめ) きの瞬間 (とき)』(sparkle): 田中贒

第Ⅲ章『山並みにこだまする歓喜の声』: 藤田正典

第Ⅳ章『信州民謡パラフレーズ』: 松下功

エピローグ (全体統一テーマによる): 石井眞木

聖火消滅

タイトル 篝火、聖火消滅の音楽「告別」
作曲家 石井眞木
指揮者 曽我大介

演奏者

芝祐靖(横笛)、笹本武志(横笛)、宮丸直子(小鼓)、東京フィルハーモニー交響楽団
演奏時間 2分

花火

タイトル 花火の音楽A+B
作曲家 石井眞木
指揮者 山本純ノ介
演奏者 祝典管弦楽団
演奏時間 11分

参考書目