テノール・リコーダー曲 ー東・緑・春ー (1991)
作品名(英) | Tenor recorder piece -- East - Green - Spring |
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作品名(独) | Higashi - Midori - Haru (Osten - Grün - Frühling) |
作品記号 | 094 |
作品年 | 1991 |
ジャンル | 独奏楽 |
演奏時間 | 7分30秒 |
楽器 | ten-rec |
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曲目解説
石井眞木, 1992
この作品は、本年7月にドイツのカルフ(Calw)で開催された、 ルコーダーの国際コンクールで、テノール-リコーダー部門の課題曲として書いた作品である。
日本の伝統音楽では、〈方位〉と音楽の秩序とが密接な関係をたもっていた。このことは鎌倉時代の楽書『管絃音義(かんげんおんぎ)』に詳しいが、この作品のサブタイトルー東・緑・春ーは、それに則る〈東の方位〉の換喩(かんゆ/metonymy)である。したがって、古来、東の方位の音階として使われている「双調」の音取(ねとり)、あるいは、春を象徴する雅楽の『酒胡子(しゅこうし)』などの旋律が使われている。そして、このような日本古来の音要素に、西欧的なモティーヴィッシュな手法が絡み合うが、これは、雅楽の龍笛の旋律を、 リコーダーで〈イミテーション〉するという次元を超えた、 東洋的コンセプトと西欧的手法との二つの音世界から、一つの新たな音楽的秩序、調和を求めようとした作品なのである。